あぜ道のダンディ

群馬県前橋市・高崎市・玉村町・伊勢崎市

作品概要

(C)2011「あぜ道のダンディ」製作委員会

『川の底からこんにちは』で妥協だらけのOLを主人公に崖っぷち人生からの劇的起死回生を描いた石井裕也が、今度は男たる男が生きにくくなった平成ニッポンにおける50歳の男のダンディズムを撮りあげました。
ダンディを貫く男の姿はユーモラスで涙ぐましい。派手ではないけれども不器用でまっすぐな男の生き様が、石井監督ならではのあたたかな目線でスクリーンに刻まれます。

大切な相手にこそ、弱みを見せず、前に出ないで思いやる。
そんな一所懸命な男の生き様はカッコ悪く見えるかもしれないけれど、実はまっすぐでカッコいい。

ストーリー

北関東、地方都市。
宮田淳一と友人・真田、13歳。自転車であぜ道を走り、時にイジメられ、「カッコいい男になりたい」と涙をこぼす・・・・イケテない中学時代。
そして、ふたりは50歳になった。
配送業の宮田淳一(光石 研)には、大学浪人中の俊也(森岡 龍)と高校3年生の桃子(吉永 淳)のふたりの子どもがいる。妻は39歳で他界し、父ひとり子ふたりの生活。子どもたちは父親とはほとんど口をきかない。何とかふたりとコミュニケーションを取ろうとするが、いつも会話はかみ合わない。
自分を競走馬に見立てながら、仕事に向かう宮田。職場では同僚(藤原竜也)に話しかけられても、めったに返事をしないほど無愛想だ。仕事を終えると毎日のように真田(田口トモロヲ)と居酒屋で酒を酌み交わす。飲みながら思い出される妻との思い出、子どもたちと笑いあった時間・・・・年頃の子どもとの付き合い方は難しい。
ある日、宮田は胃に不調を覚える。亡き妻がそうであったように、自分も胃ガンなのだと思い悩む。こんなこと、真田にしか相談できない。子どもたちに弱音など吐くものか。だって俺は「カッコいい男」なのだから。
そんな中、俊也と桃子が大学に合格した。ふたりとも受かったのは東京の私立大学。4月には宮田と一緒に暮らす家を出て、ふたりは東京で新生活を始めることになった。
せめて子どもたちと思い出を残したい。桃子と一緒にプリクラを撮ろうと学校帰りの桃子を真田とともに待ち伏せるが、女子高の校門前でキョロキョロする中年男ふたり、見た目はほぼ変質者。桃子たちを尾行するものの、「一緒にプリクラを撮ろう!」なんて言い出せない。
今度は俊也とゲームで対戦しようと携帯ゲームを購入する。「一応、店員さんに確認しよう」と真田が言っても「それくらいのこと、俺はわかる!」と見栄をはり、適当に買ってしまったゲーム機は俊也の持っているものには対応していなかった。・・・・なかなかうまくいかない。
見かねた真田は俊也を遊園地に誘い、ふたりきりで話をする。「君のお父さんはダンディだよ。見た目はかっこよくないけど、心は渋いんだ。君も男ならわかってやってほしい」。もっともそうに話すが子どもがいない真田はちょっとした「親子ごっこ」を楽しんでいるのだった。
真田に言われるまでもなく、子どもたちも父親の気持ちは分かっていた。それでも、うまくコミュニケーションをとれないのは子どもだって同じなのだ。ま、単に絡みづらいっていうのもあるのだが。
そんなまま、ふたりの子どもたちが東京へ旅立つ日が近づいてくる。 宮田は子どもたちと最期の思い出を作れるのだろうか・・・・。

地域ばなし

映画のストーリー上の舞台は、北関東の地方都市です。

群馬県前橋市・高崎市など、群馬県でロケ撮影されました。

自転車に乗りながら自分自身を競走馬に見立てるのは、石井裕也監督が小学校の時にやっていた一人遊びです。

ロケ地

群馬県
前橋市:太陽運輸、前橋市中央児童遊園るなぱあく(にっぽんいち なつかしい ゆうえんち るなぱあく)、たなか内科消化器科クリニック、大胡神社(おおごじんじゃ)、プリントショップタナベ
高崎市:おふくろの味「小塙(こばな)」、ゲームパニック高崎
玉村町:ひらが脳神経外科、宮弥
伊勢崎市:たなか内科消化器科クリニック

映画にちなんだもの

タバコ、ネコ、プリクラ、帽子、遊園地、競馬、ゴルフ、童謡「兎のダンス(うさぎのダンス)」、プレイステーションポータブル、ポケットボーイ

映級グルメ

サンドイッチ、ビール・ビール系飲料(キリンラガー、クリアアサヒ、ドラフトワン)

支援

撮影協力:
群馬県、前橋市、高崎市、高崎フィルムコミッション、(財)前橋観光コンベンション協会、山宮家、田中家、新井家、塚越家、農業組合法人さんぽ道、小塙、太陽運輸、ひらが脳神経外科、たなか内科消化器科クリニック、群馬県立勢多農林高等学校、ヤマダ電機、群馬バス、総合プランニング、プリントショップタナベ、前橋弁天通り商店街振興組合、大胡神社、宮弥、GAME PANIC高崎、るなぱあく、CHALK-D、大京アステージ。

特別協力:
ぐんまフィルムコミッション連絡協議会、高崎フィルム・コミッション、前橋フィルム・コミッション

キャスト

光石研、森岡龍、吉永淳、西田尚美、田口トモロヲ、山本ひかる、染谷将太、綾野剛、螢雪次朗、藤原竜也、岩松了

スタッフ

監督:石井裕也
脚本:石井裕也
製作:狩野義則、熊澤芳紀、為森隆、定井勇二、久保田修
音楽:今村左悶、野村知秋
主題歌:清竜人「ホモ・サピエンスはうたを歌う」
撮影:橋本清明
照明:鈴木大地
美術:沖原正純
衣裳:馬場恭子
録音:加藤大和
編集:相良直一郎

作品データ

ゆかりの地図

前橋市:るなぱあく 高崎市:小塙
36.395270, 139.063051
36.359703, 138.986925
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