徳島県鳴門市・美馬市脇町、福島県猪苗代町・会津若松市
作品概要
『交響曲第九番 歓喜の歌』 それは「苦悩を突き抜けて歓喜へ!」と叫んだ、楽聖ベートーベンの心の雷鳴であり、万人を兄弟として結び合う、気高き永久の賛歌であり、たくましき民衆の凱歌である。 第一次世界大戦中の徳島県鳴門市の板東俘虜収容所を舞台に、軍人でありながら、生きる自由と平等の信念を貫き通した所長・松江豊寿(まつえとよひさ)の指導によって、ドイツ人捕虜達が収容所員や地元民と文化的・技術的な交流を深め、ベートーベン作曲の『交響曲第九番 歓喜の歌』を日本で初めて演奏したという奇跡的な実話をベースに描く感動大作。 約90年前の知られざる奇跡的な真実を、総製作費15億円、>壮大なスケールで描く。 「バルトの楽園」、3,800円(税抜)、発売元:東映ビデオ、販売元:東映、©2006「バルトの楽園」製作委員会
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ストーリー
“ムスターラーゲル(模範収容所)”が地上に存在した2年10ヶ月間の奇跡。 1914年、第一次世界大戦で日本軍は3万人の大軍を送り込み、ドイツの極東根拠地、中国・青島(チンタオ)を攻略した。
この戦いに敗れたドイツ兵4700人は捕虜として日本に送還され、各地にある俘虜収容所に振り分けられた。
ドイツ人捕虜達は、環境が劣悪な久留米の収容所で過酷な2年の時を過ごす。
1917年、全国12ヵ所にあった収容所が6ヶ所に統合され、捕虜達は渦潮の海を越え、徳島県鳴門市にある板東俘虜収容所に移送された。
『この先、バンドーという地で、どんな地獄が待ち受けているのだろう…』
しかし、この板東俘虜収容所では、地元民と捕虜との融和を図ろうとする松江豊寿所長の指導の下、捕虜たちに寛容な待遇をしていた。固く心を閉ざしていた捕虜達は、所員や地元民の暖かい心にほだされ、徐々に心を開く様になる。
パンを焼く事も、新聞を印刷する事も、楽器を演奏する事も、そしてビールを飲む事さえ許された収容所生活の中で、捕虜達は生きる喜びをみいだしてゆく。ここ は捕虜にとって、まさに「楽園」であった。
そんな中、松江所長の放任的な捕虜の扱いが軍上層部に糾弾され、陸軍省から予算削減の通達を受ける。
『捕虜たちも、祖国の為に戦ったのです。』 朝敵の汚名を受けた会津藩士に生まれた松江所長は、捕虜に対する差別を許せなかった。
予算の削減を強いられた松江所長は、捕虜達に伐採仕事をさせ、削減された経費の補充に役立て危機を逃れる。伐採仕事で忙しくなった捕虜達の中に、それが松江所長のせいだと不平を言う者は、一人もいなかった。
そして、1918年11月、休戦条約が締結され、第一次世界大戦が集結する。
敗戦国となり意気消沈するドイツ人達…。 そんな中、捕虜の精神的支柱だったハインリッヒ少将が、拳銃自殺を図る。
危機一髪の所で日本兵に助けられ一命を取りとめたハインリッヒに、『捕虜たちの誇りであり、心の支えとして生きて欲しい』と松江は懇願する。
開放され、自国に戻る事を許されたドイツ人達は、松江所長や地元民に対する語り尽くせぬ感謝の思いを込めて日本で初めて『交響曲第九番 歓喜の歌』を演奏する。
歓声と拍手の嵐が、奇跡的なこの美しい人間讃歌が、祖国に届かんばかりに板東の大空に響き渡る。
地域ばなし
映画のエピソード(実話):1918年6月1日、徳島県鳴門市の板東俘虜収容所の兵舎バラッケ第一棟において日本で初めてベートーベン交響曲第九番が全曲演奏されました。
撮影はドイツロケの他、3億円を投じて徳島県鳴門市に忠実に再現された板東俘虜収容所の巨大なオープンセットがメイン舞台となりました。
(オープンセット「バルトの楽園 BANDOロケ村 ~歓喜の郷~」は、2009年2月28日に閉村しています。)
徳島県鳴門市では6月1日を「第九の日」と定めています。
(毎年、6月第1週の月曜日(今年は6月3日)に、第九の演奏会が開催されています。)
鳴門市には、鳴門市ドイツ館、ドイツ公園などがあり、ドイツ軒というパン屋さんもあります。
ロケ地
徳島県
鳴門市:
「BANDOロケ村~歓喜の郷~」(大麻町板東、2009年閉村)、ドイツ橋、霊山寺
美馬市:脇町
福島県
猪苗代町:猪苗代町町営牧場 、天鏡閣(青森県東部にあった斗南藩のシーン)
会津若松市:戸草平(青森県東部にあった斗南藩のシーン)
京都府
舞鶴市:舞鶴赤レンガ倉庫群
ドイツ
映画にちなんだもの
ベートーベン交響曲第九番
映級グルメ
復元ソーセージ(約90年前に板東収容所でつくられていたソーセージを再現したもの) ドイツパン(ドイツ軒というお店は、初代がドイツ兵の俘虜達から製法を教えてもらったお店「ドイツ軒」のパン)
キャスト
松平 健、ブルーノ・ガンツ、阿部 寛、國村 隼、オリバー・ブーツ、コスティア・ウルマン、大後寿々花、中山 忍、市原悦子、三船史郎、勝野 洋、大杉 漣、泉谷しげる、板東英二、平田 満、高島礼子、他。
スタッフ
監督:出目昌伸
脚本:古田 求
音楽:池辺晋一郎
作品データ
- クレジット:©2006「バルトの楽園」製作委員会
- 製作年:2006年
- 公開日:2006年6月
- 製作国:日本
- 配給:東映
- 上映時間:134分
- 映倫区分:G
- 受賞歴等:
- 製作委員会:「バルトの楽園」製作委員会(東映 シナノ企画 日本出版販売 TOKYO FM テレビ朝日 加賀電子 読売新聞 福島民報社)
- オフィシャルサイト:
ゆかりの地図
「BANDOロケ村~歓喜の郷~」(2009年閉村) | 猪苗代町:天鏡閣 |
徳島県板野郡北島町江尻松ノ本30 |
福島県耶麻郡猪苗代町大字翁沢字御殿山1048−14 |