バルバラ

パリ、ヴィレ=シュル=メール、シャンピニー=シュル=マルヌ (フランス)、ブランケンベルヘ(ベルギー)

作品概要

(C)2017 – WAITING FOR CINEMA – GAUMONT – FRANCE 2 CINEMA – ALICELEO

人生とは愛であり、哀しみであり、歓びである――。
セーヌの畔で、そして世界で最も愛された
歌姫バルバラが、いまここに甦る!
「黒いワシ」「ナントに雨が降る」などの名曲で知られ、1950年代からシャンソン界の女王として君臨したフランスの伝説的歌手バルバラ。謎に満ちた彼女の人生を演じる女優とその映画監督は、いつしか愛の迷宮で彷徨う。愛に傷つき、愛に悦び、人生を駆け抜けた一人の歌手の魂の歌は、やがて二人をバルバラの人生そのものへと誘ってゆく…。
傷ついても立ち上がり、自らの苦しみに満ちた人生を歌い上げた、孤高の歌い人、バルバラ。世界はいったいなぜ彼女に熱狂したのか? その答えをわたしたちは目の当たりにするのだ。

2018年11月16日公開
上映館案内

ストーリー

フランス、パリ。撮影スタジオでは、フランスを代表する国民的シャンソン歌手バルバラを描く映画の撮影準備に入っていた。主演はブリジット(ジャンヌ・バリバール)。監督はイヴ(マチュー・アマルリック)。ブリジットは役作りのために撮影期間中に用意された住まいにグランドピアノを準備し、その部屋はさながら映画のセットと同じようだ。スタッフから「脚本は日々変わる」と言われると、彼女はこう返すのだった、「わたしも変わる」と。  ブリジットは憑かれたように、バルバラの仕草や表情をまねる。わずかな口角のあげ方、手先の動き、もちろんその特徴のある歌声。やがて、誰も演じえないと言われていた伝説の歌手が、カメラの前に姿を現すのだった。 一方、イヴはバルバラが歌ったキャバレーや劇場での証言を集め、彼女の人生に足を踏み入れていく。少年のころに出会った彼女の曲に救われた経験のあるイヴは、映画監督という立場を超えて、ブリジット演じるバルバラに憑りつかれていき、自分を見失っていくのだった。そしてイヴ以上に、ブリジットはバルバラと化していく。自分の人生を歩んでいるのか、あるいはバルバラの人生を歩んでいるのか。撮影されている映画は、バルバラを描いているのか、あるいは別の誰かの人生なのか。さらにはスクリーンのこちら側にいるわたしたち観客すらも、その境界線に惑わされ、バルバラなのか、ブリジットなのか、もはや曖昧になったふたりの人生の輪郭を追体験することになる。    その生涯はツアーの連続で、自分の家をもたなかったバルバラは、映画の最後にこう語る。 「ステージは、わたしの船」と――。 愛を求め、しかしその愛に苦しんだ永遠の旅人、バルバラ。彼女の名曲は永遠に色褪せることはなく、今日もどこかで耳にする。バーのカウンターで泣く男の耳元にも、それは届くのだった―。

予告編

予告編配信の使用許諾権:地ムービー

地域ばなし・プロダクションノート

バルバラを演じる女優ブリジット(ジャンヌ・バリバール)が、撮影されつつ、その映画の中で、バルバラと内的な対話を交わしながら、次第にバルバラに憑りつかれ、徐々に現実とフィクションの境界が消え去り、攪乱されてしまう〈入れ子構造〉のスタイルが導入されています。

リバース・ショット(最初のカメラポジションに対して、反対側のポジションからのショット。逆打ち。)で撮影し、フレームを調節し、映像素材と音声を、女優の背景に重ね合わせていく手法をとっています。

ロケ地

フランス
パリ(Paris):ルイ・フィリップ橋(Pont Louis-Philippe)、グラン・オーキュスタン通りにあるバー「Bar l’Ecluse」

カルヴァドス県(Val-de-Marne)
ヴィリエ=シュル=マルヌ(Villers-sur-Mer:海岸通りのシーン)
シャンピニー=シュル=マルヌ(Champigny-sur-Marne)

エソンヌ県(Essonne):Boissy-Sous-Saint-Yonにあるロードサイド・レストラン

ベルギー
フランデレン地域
ブランケンベルヘ(Blankenberge:ジャック・ブレルとバルバラがビーチでセイリングするアーカイブ・シーン)

【スタジオ】
フランス
ヴァル=ド=マルヌ県(Val-de-Marne)
ブリ=シュル=マルヌ( Bry-sur-Marne):Studios de Bry

映画にちなんだもの

シャンソン、グランドピアノ

劇中に登場する曲:
ナントに雨が降る、黒いワシ、我が麗しき恋物語、いつ帰ってくるの、小さなカンタータ、パリとゲッティンゲン、ピエール、愛していると言えない、不倫、脱帽、ほか約50楽曲。

映画に出てくるグルメ

ボルシチ

支援

後援:在日フランス大使館 アンスティチュ・フランセ日本
協力:ユニフランス

キャスト

ジャンヌ・バリバール、マチュー・アマルリック、ヴァンサン・ペイラニ、オーロール・クレマン、グレゴワール・コラン、ファニー・インバー、ピエール・ミション

スタッフ

監督:マチュー・アマルリック
脚本:マチュー・アマルリック、フィリップ・ディ・フォルコ
製作:パトリック・ゴドー
製作総指揮:カミーユ・ドロー
製作主任:フランソワ=ザビエ・デクレーヌ
撮影:クリストフ・ボーカルヌ、AFC/SBC
録音:オリヴィエ・モーヴザン
録音編集:ニコラ・モロー サウンド・ミキサー:ステファン・ティエボー
編集:フランソワ・ジェディジエ
美術:ロラン・ボード
衣装:パスカリーヌ・シャヴァンヌ
記録:エロディ・ヴァン・ブレン キャスティング:ステファン・バチュ、フランツォ・カーシオ
第一助監督:ディラン・タユー
ユニット・マネージャー:ステファン・ギユメ、
AFR メイク:デルフィーヌ・ジャファール ヘア:ステファンヌ・マルー、ジミー・スプリンガード
電気技師:ジャン=ピエール・ラクロワ
大道具:ロラン・パスラ

作品データ

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Studios de Bry
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