タシケント、サマルカンド、ザーミン(ウズベキスタン)、日本、カタール
作品概要
©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO
映画監督・黒沢清が、前田敦子、加瀬亮、染谷将太、柄本時生らを迎え、雄大なシルクロードを舞台に描く旅の物語。
“舞台で歌う”という夢を胸に秘めたテレビリポーターの主人公が、番組クルーと取材のため異国を訪れ、その地での様々な出会いによって、新しい扉をひらき、成長していく姿を描く。
ウズベキスタンで全編ロケ撮影された本作は、美しい風景とともに、1コマごとに主人公の心の移ろいを映し出し、観客を主人公たちと一緒に異郷を旅する気分へ誘う。
ストーリー
テレビ番組のリポーターを務める葉子は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。
収録を重ねるが、約束どおりにはいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。
ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきた微かな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。
そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする──。
彼女が、旅の果てで出会ったものとは……?
予告編
予告編配信の使用許諾権:地ムービー
地域ばなし・プロダクションノート
日本・ウズベキスタン国交樹立25周年&ナボイ劇場完成70周年の2017年に、その記念プロジェクトとして企画・製作された作品です。
日本・ウズベキスタン両国初の合作映画です。
全編をウズベキスタンでロケーション撮影する、劇中にナボイ劇場を登場させる、という2つの必須条件を上手く生かした作品です。
黒沢清監督は、若い頃からシルクロードに憧れ、特にティムール朝(14世紀に現在のウズベキスタン中央部に成立した帝国)に惹かれていたこともあり、映画製作のオファーを快諾しています。
キャストとスタッフは、ウズベキスタンに1か月滞在し、ウズベキスタンの広い国土を存分に使ってロケーション撮影しています。
黒沢清監督とプロデューサーは、シルクロードの交易地として栄えた、ウズベキスタンの都市を見て回り、ロケ地を探しています。
その結果、「青の都」として知られる古都サマルカンド、その北に位置するアイダル湖、首都のタシケント、タジキスタン国境に近い山岳地のザーミンという4地域がメインロケ地に決まりました。
ウズベキスタンのロケハンでは、生活の佇まいのある場所を探して、裏へ、裏へ、といく黒沢監督と、名所旧跡や開発したばかりの場所を案内するウズベキスタンで、双方の思惑は違っていました。
しかし、最終的には政府国家観光発展委員会のアジズ・アブドハキーモフ議長の理解を得て、主人公が迷い込む路地裏などでロケ撮影されています。
主演の前田敦子さんは、名曲「愛の讃歌」の歌唱に挑戦しています。
ウズベキスタンの首都タシケントにあるナボイ劇場では、地元の交響楽団の伴奏に合わせて歌っています。
また、ラストシーンでは、ザーミンに近い、標高2,443mの山頂でアカペラで歌っています。
ナボイ劇場は、第2次世界大戦の終戦直後に日本人が建設に関わった建物です。
(ソ連の捕虜となった日本人が建設の仕上げを行っています。)
たった一人で異郷に放り出され、戸惑い、怯えながらも前に進んで行く主人公。その孤独感を体現できる俳優として、黒沢監督はプロット段階から前田敦子さんをイメージしていました。
黒沢清監督は、「秋元康さんが、”前田敦子を東アジアでもなく欧米でもなく、その間あたりの日本から近いようで違う文化に置くと、彼女の個性がとりわけ際立つとおもうのです。”と話していましたが、前田敦子は、ただ一人でフレームに写っているだけで強い存在感が伝わるという、希有な女優さんです。」とコメントしています。
ロケ地
ウズベキスタン共和国
タシケント:ナボイ劇場(ナヴォイ劇場)、ホテル ウズベキスタン
サマルカンド州
サマルカンド
ナヴォイ州・ジザフ州
アイダール湖
ジザフ州
ザーミン
映画にちなんだもの
シルクロード、ナボイ劇場、愛の讃歌、チャイハナ(食堂)、バザール、ヤギ(山羊)、ネコ(猫)、遊園地、絵葉書、消防士、ペンギン(防水ズボン)
映画に出てくるグルメ
プロフ、パン、ピロシキ
支援
参考文献:「ウズベキスタンと現代の日本」「ウズベキスタン日記」
協力:ウズベキスタン航空、ウズベキスタン・日本センター、日活調布撮影所、他。
特別協力:ウズベキスタン国家観光発展委員会、他。
後援:在ウズベキスタン日本国大使館、駐日ウズベキスタン共和国大使館
キャスト
前田敦子
加瀬 亮
染谷将太
柄本時生
アディズ・ラジャボフ
スタッフ
- 監督:黒沢 清
- 脚本:黒沢 清
- プロデューサー:水野詠子、ジェイソン・グレイ、西ヶ谷寿一
- 音楽:林 祐介
- 劇中曲:「愛の讃歌」前田敦子
- 撮影:芦澤明子
- 照明:永田英則
- 美術:安宅紀史
- 録音:渡辺真司
- 編集:髙橋幸一
作品データ
- クレジット:©2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO
- 製作年:20191年
- 公開日:2019年6月14日
- 製作国:日本・ウズベキスタン・カタール
- 配給:東京テアトル
- 上映時間:120分
- 映倫区分:G
- オフィシャルサイト: https://tabisekamovie.com/
ゆかりの地図
ナボイ劇場 |
ナボイ劇場 |