2014年10月25日より新宿ピカデリーほかにて全国公開の映画『小野寺の弟・小野寺の姉』。
映画公開を前に、10月24日、本作で“初”メガホンをとった西田征史監督と、片桐はいりさんのトークショーが松屋銀座で行われ、集まった観客との爆笑トークを繰り広げました。
◎向井さんと片桐さんが「姉弟」という設定に最初驚きましたが、映画を観たら本当にそう見えてきました!
西田:
最初に片桐さんにこの映画のお話した時、「本当にこの2人でいいの?」と言われました(笑)。でも、以前片桐さんと番組でご一緒した時に、「人間として大事にしているところ」が向井さんと片桐さんは似ていたんですよね。ルールやパーソナルスペースが同じというか。実際、家族ってそうじゃないですか。だから僕は最初から違和感なくて「この2人で大丈夫か?」なんて考えなかったですね。
片桐:
いや、だってまず骨格の違いがね…。同じお母さんからこの2人は生まれないよ!って思ってました(笑)。でも、普段の感じも実は私と向井さんはちょっと似ているな、と思うところは結構ありますね。向井さんはなんでも上手にさらりとこなされるんですけど、基本的なところが不器用で媚が売れないところとか。謙虚というか不器用というか…(笑)。
◎本作の一般試写会では「笑える、泣ける、ご飯が最高!」という感想がたくさん寄せられているのですが、本作の感動ポイントは?
西田:
お互いが恋に踏み出さない“ある理由”は、姉弟が思い合っているから。その二人の感情を観ているうちに感動していただけるのかなと思います。家族は自分で選べる関係じゃないですからね。家族だからこそ言えることと、言えないことがちりばめられています。
片桐:
優しい者同士の話じゃなくて、人間の弱いところや痛いところなど観てはいけない部分も少しずつちりばめられています。でも、家族って本当にそういうものですよね。好き同士の恋人や夫婦はいくらでも一緒にいて良いと思うけど、家族は好きであればあるほど一緒にいてはいけないような、そんな悲しい感じもあるな、と。
◎「ご飯が最高!」という感想については?本作でもたくさんお料理や食事のシーンでてきますね。
片桐:
「あまちゃん」や『かもめ食堂』でもお料理シーンがあって私はよく料理が得意だと思われるのですがそんなにお料理はしなくて、それよりも食べることへの意識はすごく高いんです!向井さんも同じで、番組の食レポートでも絶対残さないんです。食べることは生き方に繋がるというか、人のお家のお母さんのご飯を食べたら、その人がどうやって育ったのか分かるような、監督はそこをお料理や食事のシーンを出したかったのかなと。人柄が出ますね。
西田:
(片桐さん演じる)より子さんは人生に彩りを持って地味だけど楽しんで生きているんです。パックのお惣菜を買ってきてもわざわざ器に入れ変えるような、「料理を楽しむ」描写にしてみました。はいりさんが料理するシーンで、きゅうりのヘタをとってから側面をまな板でグリグリするのは必見です!これは片桐家の料理ルールですよね!昭和テイストを大事にしました。とりのこされた 二人。変わらなきゃいけないkと、変わらなくて良いこと。両親が残した家をキレイに使って生きている人。家の中は昭和が残っていますね。
◎撮影秘話を教えてください!
片桐:
犬は苦労しました!劇中で向井くんが恋する相手が飼っている犬が全然言う事聞いてくれなくて。 西田:確かに!お手もおすわりもしてくれなかったですし、最後ははいりさんにブルブルしてましたね(笑)。あとは、今回一軒家でのロケで片桐さんと向井さんお二人の控え室は絨毯がひいてある一間だったのですが、ほぼ2人で一つの部屋に寝てたんですよ!男女がほぼ二人で無防備に寝てるというのを見て、「あぁ、本当に姉弟になったんだな」と目頭が熱くなりました。違和感なく自然な距離感でしたよ。
片桐:
向井さんのファンに「ずるい〜」とやきもきしてもらえたら…と思って色っぽさが出てたら良いなと思ってたんだけど、画面に映っていたのは完全に「姉弟」でガッカリしました。(笑)
◎最後に一言
西田:
色んな想いを込めた作品です。本人は何も変わらないのに、周りからの見る目が変わる。でも変わらなくて良いものと変わらなきゃいけないものがあると思います。年収や人生を人と比べずに、あなたはあなたで良いんだよ、と観てくれた人の人生を肯定する映画になっていると思います。
片桐:
より子と進がサザエとカツオだとすると、波平さんやふねさんやタラちゃんなどおなじみのキャラクターがいなくて、これがカツオとサザエの10年後だったら…など色々考えてもらうと面白いかなと思います。また、二人が住んでいるお家は昔の日本家屋で本当に素敵なんです。日本のお家って完全に密閉できないからヒミツがが隠しきれず、お互いに聞こえないふりをしたり、微妙な面白い人間関係も現していますよね。 私は今でもたまに映画館にチケットモギりに行っていて、今週末はキネカ大森に多分いると思います。来てね!
作品データ
監督・脚本:西田征史
原作:西田征史「小野寺の弟・小野寺の姉」(リンダパブリッシャーズ/幻冬社文庫)
主題歌:「それぞれ歩き出そう」阿部真央 (PONY CANYON)
出演:向井理、片桐はいり、山本美月、ムロツヨシ、寿美菜子、木場勝己、麻生久美子、大森南朋、及川光博
製作:(C)2014 『小野寺の弟・小野寺の姉』製作委員会
制作プロダクション:ROBOT
配給:ショウゲート
ストーリー:
早くに両親を亡くしてから、ずっと二人きりで一緒に暮らしている、小野寺進(弟/33歳)と小野寺より子(姉/40歳)。
モテないワケではないのに引っ込み思案で恋に奥手な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉。弟は失恋の痛手から抜け出せないことを姉にとやかく言われながらも、彼等は一つ屋根の下に、イイ距離感を保ちながら暮らしていた。
ある日、小野寺家に1通の誤配達の郵便が届く。その手紙をきっかけに進とより子、それぞれの恋と人生が動き始めるー。
お互いを大切に想い合う不器用な姉弟のそれぞれの幸せの行方は―。
そして、弟が抱える、ある大きな想いとは―。
ゆかりの地図
松屋銀座 |
35.672441,139.766787 |