岐阜県飛騨高山・イスファハン(イラン・イスラム共和国)
作品の概要
「運動靴と赤い金魚」の国から、また新しい名作が生まれました。 ベルリン・カナダ・カイロ・ソウル、世界の映画祭でグランプリに輝くカマル・タブリーズィー監督最新作。 イラン・日本初の合作である本作は、ペルシャの世界遺産イスファハンと飛騨高山、その伝統と風土の美をオールロケで撮影。 監督は斬新な即興演出法で両国の子供たち、大人のさりげない本当の姿を切取りました。 飛騨高山の伝統工芸を残すため山車と幕=絨毯を再現する、という実話を基にし、中東と日本の文化交流という清楚な志が映像美に昇華。 文化の壁を越え、ひとつの目標に向かう人々の姿が胸をうちます。この頃、少し希望という言葉が信じられない人、心が乾いている人を優しく潤してくれる感動作です。 英語タイトル:The Wind Carpet |
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ストーリー
飛騨高山。突然、母(工藤夕貴)を亡くした少女さくらは、祭りの伝統を残そうする有志の人・中田金太(三國連太郎)の依頼で、母のデザインの絨毯を受け取りに、貿易商の父(榎木孝明)に連れられ、イランに来ることに。暖かく迎える友達アクバル(レザ・キアニアン)ですが、手違いがあり、絨毯は祭りの期日に間に合わない!少年ルーズベ(ファルボー・アフマジュー)が様々な人々と力を合わせて奮闘しますが、期日は迫り、そして別れのときも。果たして絨毯は? そしてさくらの心の傷は?
地ムービーなわけ(地域との関わり)
日本三大美祭として知られる飛騨高山祭。その主役、日本重要民俗文化財にも指定されている祭屋台にペルシャ絨毯をかけるという発想から映画が生まれました。
撮影で使用した平成の祭山車は、制作費1台約3億円。
映画で使用されたまつりの森の平成の祭山車は、「現代の職人の手で復元し、伝統技術を後世に伝えよう」という中田金太氏の強い願いにより、日本全国から腕利きの職人が呼び寄せられ、最高の素材を使用して復元。制作期間約3年、制作費1台約3億円。一度完成した祭山車「臥竜台」を、撮影のためもう一度解体し、実際の職人を呼んで再び山車組み立て現場を再現しています。
イランと日本のオールロケが両国の美を活写。和の魅力が再評価される中、金森宗和の茶の文化が磨きぬいてきた美の真髄、古都、岐阜県高山の佇まいが新鮮です。イラン側は、内陸に位置するイスファハン。映画にも登場するイスファハンのエマーム広場は、世界遺産に指定され、「イスファハンは世界の半分だ」という言葉に代表される通りの美しい町。この二つの町で、一方は祭屋台。もう一方には、ペルシャ絨毯。二つの伝統文化が交じり合います。
地域でおこったエピソード
撮影直前の2001年9月11日アメリカ同時多発テロ事件によって、撮影延期になってしまいました。
・2001年冬 プリプロダクション
・2002年2月〜6月 イスファハン(イラン)にて撮影
・2002年3月 岐阜県高山市にて撮影
映画のストーリー上の舞台
岐阜県高山市、イランの内陸に位置するイスファハン。
ロケ地
岐阜県高山市、イランの内陸に位置するイスファハン。
映画にちなんだもの
飛騨高山の祭屋台
イランのペルシャ絨毯
(秘話)撮影で使用したペルシャ絨毯制作費用は、日本円で1000万円以上。
使用したペルシャ絨毯は、日本とイラン双方の職人が1年かけてデザインを起こし、3年(映画制作中も制作中)かけて制作。日本の山車に合わせた特別サイズで、なおかつ日本の山車にほどよくマッチするデザインにするため、両国の職人が話し合い両国のモチーフを取り入れた素晴らしい作品になりました。
当初、実際にペルシャ絨毯を制作すると少なく見積もっても絨毯制作費用だけで1000万円以上。そこで、撮影の一部をCG合成するか、機械織りの安価な絨毯でレプリカを作るなども検討されましたが、「実物で撮影したい」と言う監督の強い希望により、完成した絨毯を1本、最初の織り始めを1本、途中段階の絨毯を2本、完成寸前の絨毯を1本、合計5本の本物のペルシャ絨毯を制作しました。
支援
後援:外務省、岐阜県、在日イランイスラム共和国大使館、ユネスコアジア文化センター
特別協力:朝日新聞社、メセナ助成、飛騨庭石、フジライトカーペット、飛島建設、千代田絨毯、川島 織物、ポリシー化粧品、昭和シエル石油、飛騨建設、山一商事 他
特別協賛:飛騨高山まつりの森 茶の湯の森、三越、近鉄百貨店、松坂屋、天満屋岡山店、博多大丸、大丸京都店、京王電鉄バス、濃飛バス、イラン航空、近畿日本ツーリスト
協力:高山市、飛騨高山観光協会、キミヤ・インターナショナル
平成の祭屋台製作技術者支援の会
中田秋夫(設計)、杉原茂夫・八野明・堀之内稔・池田義彦(工匠)、吉田信久(彫刻)、大向高洲堂(塗師)、安川弥吉(金具)、新名隆太郎・田中文雄(化粧鉄金具)、白木良典(建具)、志観寺範従(彩色)、ダウードネジャ・ドアリレザ(見送幕表)、川島織物(見送幕裏)
※中田金太氏は「平成のまつり山車」制作と「まつりの森」の運営が評価され「メセナ大賞2002」地域文化賞を受賞。
キャスト・スタッフの思い出のお店・料理・商品など
高山の本町通りにある、喫茶のドン。
飛騨高山の飛騨みたらし団子。
監督が大好きだったの飛騨ヨーグルト。(アシドルフィン菌があって、すっぱくて美味しい。)
キャスト
榎木孝明、柳生みゆ、ファルボー・アフマジュー、レザ・キアニアン、工藤夕貴、三國連太郎、飛騨高山の皆さん他。
スタッフ
- 監督:カマル・タブリーズィー
- プロデューサー:益田祐美子
- 脚本:モハメッド・ソレイマン・今井雅子
- 撮影:ハッサン・プーヤ、宇井忠幸
- 美術:マジッド・ミルファクレイ 、間瀬広伸
- 音楽:ペイマン・ヤザニアン
- 編集:ホセイン・ザンドバフ
- 衣装(デザイン):マジッド・ミルファクレイ、西野泰子
作品データ
- クレジット:©2003 WCPC / BEHNEGAR©2003 『風の絨毯』製作委員会
- 製作年:2003年(制作年2002年)
- 公開日:2003年(日本公開:5月17日)
- 製作国:日本・イラン
- 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- 上映時間:111分
- 映倫区分:G
- 製作委員会:(株)山下/(株)スリー・アローズ・エンターテイメント/(株)イマジカ/
(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/TV朝日/(株)カフェグルーヴ) - 受賞歴:ファジール国際映画祭三受賞(観客賞・審査員特別賞・世界協会賞)
- オフィシャルサイト(リンク):http://www.cafegroove.com/movies/kazeju/
この作品にゆかりのあるところ
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