この世界の片隅に

広島県呉市・広島市

作品概要

konosekaino_katasumini_400

(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

原作は、第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞したこうの史代さんの同名マンガ。心に染みるこの原作を、映画『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督がアニメ映画化。NHK「花は咲く」アニメ版で感動を呼んだふたりが再びタッグを組む。
クラウドファンディングを実施し、日本全国多くからの「この映画が見たい」という想いで製作が決定。6年の歳月をかけ徹底的な考証を行い、広島県産業奨励館(現・原爆ドーム)など、現在は見ることができない街並みも活き活きと再現。主人公のすずさんたちをまるで実在したかのように描き出す。
大変な毎日でも工夫を凝らして生きていく、すずさんの姿が、全ての世代に静かで確かな勇気を与える。

2016年11月12日公開
上映館案内
第29回東京国際映画祭
映画祭上映

ストーリー

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。 良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。
呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。 見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。 夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。 配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。
ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。 またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。
1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。

地域ばなし

舞台となっている呉市や広島市の時代や場所について、片渕監督は、文献調査や現地調査を重ね、リアリティのある当時の姿を描き出しています。特に、広島市中島本町のシーンでは、当時中島本町に住んでいた方がら話を伺い、記憶を頼りに当時の中島本町の姿を浮かび上がらせています。

片渕監督が広島市と呉市での実踏糖鎖を重ねる中で出会った方々が、本作を応援するために「『この世界の片隅に」を支援する呉・広島の会」を立ち上げ、公開に向けて様々な応援イベントを企画・実施しています。

広島の映画ということで、地元広島では、 タイアップ商品がいくつも商品企画され発売されています。
広島菜漬(JA広島市)、焼きのり(丸徳海苔(株))、さざれ石・浜の松茸(珍味蒲鉾)((株)大崎水産、キャラメルもみじ((株)平和堂梅坪)、すずさんラムネ、絵筆(熊野筆)、呉軍港プラモデル、他

クラウドファンディングで3,374名のサポーターから39,121,920円の制作資金を集めました。(当時(2015年3月9日午前11時開始5月末終了)国内のクラウドファンディング映画ジャンルとしては最多人数・最高額)

ロケ地(作品の舞台)

広島県
広島市:広島城、広島駅、福屋デパート、胡子町電停付近、横川橋、中島本町(現在の平和記念公園:大正屋呉服店(現:レストハウス)、広島県産業奨励館(現:原爆ドーム))、相生橋、江波(住吉橋、太田川、松下商店)

呉市:呉駅、蔵本通り(消防署鉄塔、灰ヶ峰)、小春橋、福屋百貨店支店前(本通七丁目)、三ッ蔵、海軍病院前の階段、下士官集会所周辺、青葉着底地(警固屋)

映画にちなんだもの

青葉(重巡洋艦)、大和(戦艦)、アッパッパ(夏物のワンピース)、純綿(混ざり物のない木綿)、女子挺身隊、千人針、伝単(米軍が空からまいた宣伝ビラ)、配給、迷彩塗粧(白壁を黒く塗ってカモフラージュする)、モガ(モダンガール)、浴衣、B29、座敷童子、鉛筆、蚊取り線香、タンポポ、井戸、カブトムシ、ありんこ(蟻)、絵の具、チョーク、オープニングテーマ「悲しくてうあきれない」

映級グルメ

森永ミルクキャラメル(幼いすずが買った当時は「10粒入り5銭」と「20粒入り10銭」のものが発売されていました。)
楠公飯(なんこうめし:炒った玄米を三倍の水に一晩つけてから炊いたご飯、節米料理)
野草(代用食)、海苔

タイアップ商品:広島菜漬(JA広島市)、焼きのり(丸徳海苔(株))、さざれ石・浜の松茸(珍味蒲鉾)((株)大崎水産、キャラメルもみじ((株)平和堂梅坪)、すずさんラムネ、千福 純米酒

映画に出てくるグルメ:海苔、森永ミルクキャラメル、スイカ、ソーメン、大根、カタバミ、梅干しの種、イワシの干物、スミレ、ハコベラ、卯の花、スギナ、サツマイモ、馬鈴しょ、鯛、干し柿、砂糖、アイスクリーム、わらび餅、ハッカ、喫茶店のウエハースのついたアイスクリーム

支援

協力:
広島フィルムコミッション、呉地域フィルムコミッション、呉市立美術館、大和ミュージアム、株式会社QPR、日本大学藝術学部映画学科、他

資料・情報協力:
呉市史編纂室、広島市文化振興課、広島市公文書館、入船山記念館、広島市舟入公民館、月刊くれえばん編集室、昭和のくらし博物館、埼玉県立歴史と民俗の博物館、江波を伝える会、あき書房、広島平和記念資料館、子供のための民俗資料館、周防大島文化交流センター、呉観光ボランティアの会

参考図書:
「空襲通信(空襲・戦災を記録する会全国連絡会議)」、「米軍の写真偵察と日本空襲」、「呉戦災 あれから60年」(呉戦災を記録する会)、「戦争中の暮しの記録」(暮しの手帖編)

後援:
呉市、広島市

キャスト(声の出演)

のん、細谷佳正、尾身美詞、稲葉菜月、牛山茂、新谷真弓、小野大輔、岩井七世、潘めぐみ、小山剛志、津田真澄、京田尚子、佐々木望、塩田朋子、瀬田ひろ美、たちばなことね、世弥きくよ、澁谷天外

スタッフ

監督:片渕須直
脚本:片渕須直
プロデューサー:真木太郎
企画:丸山正雄
原作:こうの史代
音楽:コトリンゴ
監督補:浦谷千恵
画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン:松原秀典
作画監督:松原秀典
美術監督:林孝輔

作品データ

ゆかりの地図

広島市
34.395465,132.453624
呉市
34.395465,132.453624

戻る
作品検索 タイトル・人・etc.
作品
映画のなかの
建築
インタビュー
予告編
このエントリーをはてなブックマークに追加
地図で探す