【作品概要】
新聞の採点を日課にしている高校生・川島いづみは、ある日大金の入った財布を拾う。財布の持ち主を探し当てたことから、話は意外な展開へ…。
モノクローム映像と共に高校生の心情を自然体で描く青春の一篇。英題:About the Pink Sky。
出演:池田 愛、篠恵奈、藤原令子、高山 翼、桃月庵白酒、ほか。
スタッフ:
監督:小林啓一
プロデューサー:原田博志
マネージメント:宮﨑紀彦
製作:松嶋 翔
録音:日高成幸
題字:土屋 浄
クレジット:©マイケルギオン
製作年:2011年
製作国:日本
上映時間:112分
映倫区分:
配給:
受賞歴:第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門作品賞受賞
オフィシャルサイト(リンク):
映画のストーリー上の舞台:2011年(現在)と2035年(近未来)の日本。
ロケ地:千葉県千葉市緑区あすみが丘、千葉市美浜区「宮野木ボウル 幸町センター」、東京都北区、神奈川県、埼玉県加須市(旧)「騎西高校」 (現在は閉校)、ほか。
映画にちなんだ商品・料理など:財布、新聞、煙玉、デジカメ(CONTAX U4R キャメル色)、ボーリング、釣り堀、ほか。
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11月8日の日本外国派遣員協会でのゲスト登壇による記者会見のQ&Aは下記の通り。
Q:2035年という冒頭のクレジットが出ますが、近未来という設定なのに、写されるものが全て現代のものばかりで、けじめがないと感じました。本作には黒澤明監督『天国と地獄』へのオマージュが込められているのですから、煙はピンクにして欲しかった。世界の映画ファンにもそのほうが受けたと思いますが、いかがでしょうか。
小林啓一監督:2035年という表記は、いづみが現代を振り返るという設定で入れたテロップです。未来から手紙を受け取っている、という感覚で見ていただけると嬉しいです。本作をモノクロで撮影したのは、現在はすぐに過去になってしまうという事をわかりやすく示すためと、モノクロにする事で、世界は全く違って見えるという事を示したかったためです。煙をピンクにしなかったのは、悩んだところなのですが、ピンクにすると『天国と地獄』そのままになってしまうと考えたのと、ピンク色にすることよりも、いづみたち登場人物の会話の方が重要だと考え、あまり目立つようにしないためにピンクにしませんでした。
Q:演じられた皆さんは、現役の高校生でもある訳ですが、シナリオを読んだ時に、自分自身と比べて、登場人物のありかたに納得出来たのか、それとも納得出来ないところがあったのか、教えてください。
池田 愛さん:いづみという女の子は、口調が荒かったりして、私とは違うタイプでしたので、「普段から口調を荒くするところから始めよう」と思いいづみが行きそうな場所や聴きそうな音楽を、監督に聞いたり、自分で考えたりして、撮影中はいづみになりきっていました。
小篠恵奈さん:蓮実は、一見普通にいそうな女子高生なのですけれど、実は意外にどこにもいないような素直な女の子だと思います。だから、最近の女子高生という意味で自分の中で受け入れるのに時間がかかりました。「素直な子だ」と受け止めるのに時間がかかって、最初は嫌な子だと思っていたのだけれど、台本を読み続けるうちに次第に好きになっていきました。
藤原令子さん:薫は、私よりもだいぶ落ち着いたタイプです。でも、自分として台詞に違和感は感じなかったので、自然と演じることが出来ました。
高山 翼さん:最初に台本を読んだ時には、簡単に受け入れられませんでした。政治家の息子で大金持ちで、男の子が好きという役で、自分とは違うと思ったからです。しかし、物語が進むにつれて、彼の友情を大事にするところや、いづみを見捨てないところなど、高校生らしい「子どもっぽさ」があったので、自分なりに納得する事ができました。
Q:ピンクいろでも、桜いろでもなく、『ももいろそらを』というタイトルにしたのはどうしてですか?
小林啓一監督:タイトルは消去法で決めました。ピンクという言葉を使うと、女子高生を題材にしているという事もあって、嫌らしい感じが出てしまうと思いました。そこで、うちの姪が”もも”という名前なので、それにもあやかり「ももいろ」としました。