秋田県鹿角市・長崎県新上五島町中通島・熊本県天草市
作品の概要
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風光明媚な長崎県五島列島。そこで、懐の寂しい寅さんとポンシュウに、一夜の宿を提供してくれた老婆の優しさと、彼女の死。 人の出会いの美しさと、そこから始まる新しい運命。 今回はこうした“人の縁”がおりなす、温かい物語が微苦笑のなかに展開される。樋口可南子と平田満。二人が演じる若いカップルを取り持つ、恋のベテラン・寅さん。都会で一人暮らしをする女性の孤独や、彼女をとりまく社会を、さりげなくリアルに描いている。 後半、秋田県鹿角を舞台に繰り広げられる騒動まで、明るい笑いが、幸福な気分に誘ってくれる。 『男はつらいよ 寅次郎恋愛塾』 |
ストーリー
ポンシュウ(関敬六)と五島列島にやってきた寅さんは、クリスチャンのお婆ちゃん(初井言榮)と知り合うが、お婆ちゃんは急逝してしまう。
その葬儀に参列した東京で働く孫娘・若菜(樋口可南子)から、寅さんに礼状が届く。若菜をたずねた寅さんは、写植オペレーターの技術を持つ彼女の再就職を、博にたのむ。若菜のアパートには、気の良い管理人のおばさん(杉山とく子)や、司法試験に挑戦している酒田民夫(平田満)が暮らしており、若菜に夢中な民夫は勉強も手につかない。
そこで寅さんが恋の指南役を買って出るが・・・
地域ばなし
第35作では、秋田県鹿角市・長崎県新上五島町中通島・熊本県天草市などを寅さんが訪れた。東京都文京区小石川伝通院、長野県上田市の舞田駅も舞台になっている。
地域でおこったエピソード:五島列島の中通島での撮影1985年6月から7月にかけて約20日間行われている。雨の多い年で、撮影は当初の予定より延びたという。
ロケ地:都市・地域・施設(建築物・土木構造物)
秋田県鹿角市(民夫の実家へ到着)・鹿角市尾去沢水晶山スキー場(民夫を捜索)、鹿角花輪駅線
長崎県上五島町(現:新上五島町)中通島・郷ノ首(連絡船が着く港)・太田漁港近く(江上ハマを助ける)・青砂ヶ浦(あおがさうら)天主堂(江上ハマの葬儀)・丸尾教会(墓堀をするシーン)、長崎県有川町(現:新上五島町: 旅館西海屋の女中から若菜の出生の秘密を聞く)・祖母君(そぼぎみ)神社(啖呵売)・頭ヶ島教会の海側にあるキリシタン墓地(映画の冒頭シーン)
長崎県長崎市乗船場(寅さんが柴又へ電話)
熊本県天草市(啖呵売)
長野県上田市・別所線・舞田駅(夢から醒める)
東京都文京区小石川伝通院(民夫に恋の指南を申し出る)
映画にでてくるグルメ
タコ(魚のおいしい上五島に着いたものの、ふところが寂しい寅さんとポンシュウは、あんぱんしか食べられない。江上ハマ宅にお邪魔し、板前修業をしたこともあるポンシュウが、タコを捌こうとする。五島列島は真蛸が名産で、タコの習性を利用して伊勢エビを穫る漁法「タコ追い伊勢エビ漁」もある。)
キャスト
渥美清、倍賞千恵子、樋口可南子、平田満、前田吟、吉岡秀隆、下條正巳、三崎千恵子、太宰久雄、佐藤蛾次郎、笠智衆、美保純、初井言榮、梅津栄、杉山とく子、平田満、松村達雄、築地文夫、関敬六ほか。
スタッフ
- 監督:山田洋次
- 脚本:山田洋次、朝間義隆
- 原作:山田洋次
- 音楽:山本直純
- 撮影:高羽哲夫
- 美術:出川三男
作品データ
- クレジット:(c)1985 松竹株式会社
- 製作年:1985年
- 公開日:昭和60(1985)年8月3日
- 製作国:日本
- 配給:松竹株式会社
- 上映時間:108分
- 映倫区分:G
- 受賞歴:第31回毎日映画コンクール・日本映画優秀賞(1976年)・キネマ旬報BEST10第2位(同)・同・助演女優賞/太地喜和子(同)・第19回ブルーリボン賞BEST10ランク(同)・第1回報知映画賞・助演女優賞/太地喜和子(同)・第5回文化庁優秀映画(同)
- オフィシャルサイト(リンク):http://www.tora-san.jp/index.html
ゆかりの地図
鹿角市尾去沢水晶山スキー場
