映画祭:SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017受賞結果

埼玉県川口市

世界に先駆けてデジタルシネマにフォーカスし、若手映像クリエイターの登竜門として2004年にスタートしたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭(主催:埼玉県、川口市ほか)は、2017年7月15日(土)より14回目の開催を迎え、最終日となる7月23日(日)のクロージング・セレモニー(表彰式)にて、長編部門・短編部門・アニメーション部門の、コンペティション3部門の各賞を発表されました。

長編部門では、ノルウェー作品『愛せない息子』(アーリル・アンドレーセン監督)がグランプリに輝き、ノルウェー作品としては本映画祭では他の賞も含め初の受賞となりました。

また監督賞は、ドキュメンタリー映画『中国のゴッホ』(ハイボー・ユウ監督、キキ・ティエンチー・ユウ監督)が受賞。海外のドキュメンタリー作品の受賞も、本映画祭では他賞を含め初となりました。

さらに審査員特別賞にはハンガリー映画『市民』(ローランド・ヴラニク監督)が輝き、こちらもハンガリー映画の受賞は本映画祭では初となります。

各賞受賞作品は以下の通りです。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017 受賞作品

【長編部門(国際コンペティション)】

最優秀作品賞 『愛せない息子』

2017年/ノルウェー/103分
監督:アーリル・アンドレーセン
©Norsk Filmdistribusjon / Motlys

監督賞『中国のゴッホ』

2016年/中国、オランダ/81分
監督:ハイボー・ユウ、キキ・ティエンチー・ユウ
©YU Haibo

審査員特別賞『市民』

2016年/ハンガリー/109分
監督:ローランド・ヴラニク

SKIPシティアワード 『三尺魂』

<国内作品を対象に、今後の長編映画制作に可能性を感じる監督に対して授与する賞です>
2017年/日本/93分
監督:加藤 悦生
©三尺魂2017

【短編部門(国内コンペティション)】

最優秀作品賞『冬が燃えたら』

2016年/日本/22分
監督:浅沼 直也
©Altan Cinemas

奨励賞『サイレン』

2017年/日本/17分
監督:三宅 伸行
©クロマリズム

『追憶ダンス』

2016年/日本/25分
監督:土屋 哲彦
©TEAM追憶ダンス2016

【アニメーション部門(国内コンペティション)】

最優秀作品賞『I think you’re a little confused』

2016年/日本/8分
監督:小川 育
©Iku Ogawa

奨励賞『The Interpreter』

2015年/イギリス/7分
監督:尾角 典子
©Noriko Okaku

『竹田駅メモリーズ』

2016年/日本/4分
監督:浜村 満果
©HamamuraMichika

コメント

<グランプリ受賞者コメント>
◎長編部門 最優秀作品賞受賞 『愛せない息子』 アーリル・アンドレーセン監督
*アーリル・アンドレーセン監督は欠席のため、ヒルデ・スサン・ヤークトネスさん(脚本)が代理受賞 。

動物の赤ちゃんには、生まれたその日から立ち上がって走りださなければならない種もいる。しかし人間の子供は、何年もの間、自分では何もできず親に頼らなくては生きていけない。本作の企画の始まりは、もし親が子供を愛せないというタブーが起きた場合どうなるか、ということだった。この映画をご覧になった方の中に、もし親として子育てに悩んでいる方がいたら、その問題に目を背けるのではなく、オープンに話し合うことが大事だと気づいて欲しい。

◎短編部門 最優秀作品賞受賞 『冬が燃えたら』 浅沼 直也 監督
この作品はキャスト2人とスタッフ3人だけで、本当に手作りで作った。制作中は、行き届かないところがあったと思うが、最後までしっかり、僕の言っていることを汲み取って、本当に助けていただいた。主演の澤田和宏とは、十年来の友達で、苦労を共にした仲間なので、ありがとうと伝えたい。グランプリを頂いたことを自分の励みにして、これからも映画制作を頑張っていきたい。

◎アニメーション部門 最優秀作品賞受賞 『I think you’re a little confused』小川 育 監督

トロフィーがすごく重くて(笑)、賞の重みを感じる。この作品は大学院の修了制作として制作したもので、学生として最後の作品だったので、このような賞をいただいて、大変うれしく思う。今は仕事をしているので、なかなか自分の作品を制作するのが難しいが、今回の受賞を糧に自分の作品をもっと作りたいなという思いが強まった。

<審査委員長コメント>
◎長編部門 国際審査委員長 黒沢 清氏(映画監督)
本当にいろいろな国の映画が集められていて、正直どれもかなりレベルが高く、改めて世界中にこんなに優れた映画がたくさんあるんだなということを認識した。今回の受賞作品は、これまでどの映画祭でも紹介されてこなかった、本当に新しい映画だったというのが、素直な喜びだった。受賞された方たちは、さらに世界的な評価を高めていく才能のある作家たちだと思うが、彼らを発見したのは、ここ川口だと大いに誇っていいのではないかと思う。

◎短編部門 審査委員長 桝井 省志氏(株式会社アルタミラピクチャーズ代表取締役/映画プロデューサー)
今までは、短編は今後長編を撮る可能性のある監督の登竜門という考え方をしていたと思う。しかし今年の作品を見ると、ほぼプロフェッショナルの方々のコンペティションといっても差し支えない。ただ作りたいものだけを作るのではなく、商業的な支えの方々をどう説き伏せながら自分の言いたいことを言うか、皆さんがチャレンジしている姿に感動を覚えた。今回受賞した作品は、社会性を踏まえたメッセージを持ちながら、映画が作られているという点で、敬意を表したい。

◎アニメーション部門審査委員長 小出 正志氏(アニメーション研究者、東京造形大学教授)
この映画祭は15年近くの長きにわたる、今や「伝統ある」といってもよい映画祭だが、アニメーション部門は始まって数年の若い部門。映画祭の役割のひとつとして、普段あまり知られることのない種類や技法の作品を見ていただいて、そういった作品に親しむ場を作るということもある。ぜひ皆さまに、この映画祭のアニメーション部門を広く周知いただき、もっとたくさんの作品の応募が行われるようになることを期待したい。

<主催者コメント>
◎上田 清司 埼玉県知事 (SKIPシティ国際映画祭実行委員会 会長)
本映画祭に参加されたクリエイターの皆さんには、この映画祭を通じ、それぞれ新たな刺激や、ヒントを得て、さらに世界の、そして日本の映画界に飛躍されるきっかけを与えることになったのではないかと思っている。ぜひこの映画祭を契機として、世界中に大きく羽ばたいていただきたいと心から願う。

◎奥ノ木 信夫 川口市長 (SKIPシティ国際映画祭実行委員会 副会長)
デジタルシネマをテーマとする映画祭としてスタートしたこの映画祭を、埼玉県と川口市が連携し、国内でも屈指の映画祭に育てていきたいと考える。来年は15回という節目の年になる。これまで以上に作品をはじめ充実させた15回目にしたいと思うので、皆さまには大いに期待していただきたい。

◎土川 勉 映画祭ディレクター
今年も各部門とも、それぞれの作品の力が拮抗していて、ある審査員の方が「これは本当に100分の1の差ですね」と、審査会で感想を述べられたように、結果は僅差だった。今回、選に漏れたさ皆さんには、今後のご検討を期待したい。また今年から、観客のみなさんの投票によって選ぶ観客賞を正式に設けた。集計後、後日発表するので、ご期待ください。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017 開催概要

会期:2017年7月15日(土)〜7月23日(日)
会場:SKIPシティ 映像ホール、多目的ホールほか(川口市上青木3-12-63)
主催:埼玉県、川口市、SKIPシティ国際映画祭実行委員会、特定非営利活動法人さいたま映像ボランティアの会 公式サイト: www.skipcity-dcf.jp

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