パリ(フランス)、ロサンゼルス(アメリカ)、カナダ
作品概要
©Carole Bethuel
人間が〈感情の消去〉をされる近未来社会で何が起きるのか?
100年以上の時を超えて転生を繰り返し、愛と恐怖の狭間で揺らめく男女の壮大なる運命の物語。
破格のスリル、ロマン、ミステリーが渦巻くSF映画の傑作。
ストーリー
AIが国家の社会システム全般を管理し、人間の感情が不要と見なされている2044年のパリ。孤独な女性ガブリエル(レア・セドゥ)は有意義な職に就きたいと望んでいるが、それを叶えるにはDNAの浄化によって〈感情の消去〉をするセッションを受けなくてはならない。 人間らしい感情を失うことに恐れを感じながらも、AIの指導に従って1910年と2014年の前世へとさかのぼったガブリエルは、それぞれの時代でルイ(ジョージ・マッケイ)という青年と出会い、激しく惹かれ合っていく。
しかしこの時空を超越したセッションは、ガブリエルの潜在意識に植えつけられたトラウマの恐怖と向き合う旅でもあった。はたして、3つの時代で転生を繰り返すガブリエルとルイの愛は成就するのか。そして過酷な宿命を背負ったガブリエルが、最後に突きあたる衝撃的な真実とは……。
予告編
予告編配信の使用許諾権:地ムービー
プロダクションノート・地域・建築ばなし
第80回ヴェネチア国際映画祭の公式批評スコアで1位を獲得した作品です。
ベルトラン・ボネロ監督が、イギリスの文豪ヘンリー・ジェームズの傑作中編小説「密林の獣」を自由かつ大胆に翻案しています。
映画のストーリー上の舞台は、2044年のパリ、2014年のロサンゼルス、1910年のパリです。100年以上の時を超えて転生を繰り返す男女の数奇な運命を、スリル、ロマン、ミステリーで描いています。
(C)FILM : 2022 – LES FILMS DU BELIER – MY NEW PICTURE – 9459-5154 QUEBEC INC. – ARTE FRANCE CINEMA – AMI PARIS – JAMAL ZEINAL-ZADE
2044年のシーンは、デジタルで撮影され、AIに管理された近未来をスタイリッシュなディストピアSFとして映像化しています。劇中には、パリを一望するシーンがあり、パリの美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」(Bourse de Commerce – Pinault Collection)がクローズアップで映し出されています。
パリの美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」は、18世紀に小麦市場として建てられ、19世紀後半に商品取引所に改築された建物を、建築家・安藤忠雄がリノベーションして現代美術館として再生した建物です。
2014年のシーンは、デジタルで撮影され、ガラス張りの豪邸を舞台にしたスリラー劇になっています。2014年はSNSが普及した社会の悲劇が描かれています。ロサンゼルスのアイラヴィスタで実際に発生した地震や、実在の大量殺人鬼・エリオット・ロジャーをモデルにした事件が描かれています。
大量殺人鬼・エリオット・ロジャーが自撮りをしたときの映像と同じような映像が映画のなかで再現されています。そのシーンは、iPhoneで自撮りをしています。
1910年のシーンは、35ミリフィルムで撮影された華麗なコスチューム・プレイが繰り広げられています。フィルムならではの、あたたかい色合い、優しい雰囲気を出そうと35ミリフィルムが使われました。また、1910年のパリで起こった大洪水も描かれています。
本作品のエンド・クレジットは「QRコード」で、これは”世界初”です。制作サイドは「本作品は、感情が追放された世界を描いているので、エンディング・クレジットの時間から感情が排されているのは理にかなっていると思う。エンド・クレジットは本編の一部でもある。」とコメントしています。
ロケ地:都市・地域・施設(建築物・土木構造物)
(C)FILM : 2022 – LES FILMS DU BELIER – MY NEW PICTURE – 9459-5154 QUEBEC INC. – ARTE FRANCE CINEMA – AMI PARIS – JAMAL ZEINAL-ZADE
フランス
パリ:ブルス・ドゥ・コメルス
アメリカ
ロサンゼルス:ハリウッド
映画にちなんだもの
AI(人工知能)、DNAを浄化して無用な感情を排除する「浄化センター」、パーティー、絵画、ピアニスト、画家「エゴン・シーレ」、オペラ「蝶々夫人」、ポール・ポラレ、アンノルト・シェンベルク「浄められた夜/浄夜」、ヘレニズム哲学の一派「ストア派」(感情の揺れは幸福を妨げる)、パリの大洪水(写真映像として劇中に登場)、陶器製人形、セルロイド製人形、ロボット人形、AIロボット、占い、予言、アメリカの内戦、ロイ・オービンソン「エヴァーグリーン」、アダモ「雪が降る」、前世、来世、ディスコ、ハト(鳩)、予知能力、心の動きがない顔、音楽と感情、感受性、モデル、ナイフ、グリーンバック
映級グルメ
映画に出てくるグルメ:クレープ、紅茶、パン・オ・ショコラ、ウィスキー、ウォッカ
キャスト
レア・セドゥ、ジョージ・マッケイ、ガスラジー・マランダ、グザヴィエ・ドラン(声)
スタッフ
- 監督:ベルトラン・ボネロ
- 脚本:ベルトラン・ボネロ
- シナリオ監修:ベルトラン・ボネロ、ベンジャミン・チャービット、ギヨーム・ブレオー
- プロデューサー:ジュスタン・トーラン、ベルトラン・ボネロ
- 共同プロデューサー:グザヴィエ・ドラン&ナンシー・グラント
- 原作:ヘンリー・ジェイムズ「密林の獣」
- 音楽:ベルトラン・ボネロ&アンナ・ボネロ
- 撮影監督:ジョゼ・デー
- 美術:カーチャ・ヴィシュコフ
- 衣裳:ポリーヌ・ジャカール
- ヘアメイク:マリナ・ミリツァ
- 編集:アニータ・ロト
作品データ
- クレジット:©Carole Bethuel
- 製作年:2023年
- 公開日:2025年4月25日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
- 製作国:フランス、カナダ
- 配給:セテラ・インターナショナル
- 上映時間:146分
- 映倫区分:G
- 受賞歴等:第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品(公式批評スコアで1位を獲得)
- 原題:La bête
- オフィシャルサイト: https://kemonogairu.com
ゆかりの地図
ブルス・ドゥ・コメルス |
」Bourse de Commerce – Pinault Collection |
