竜とそばかすの姫

高知県越知町・仁淀川町・高知市・日高村・いの町・南国市・土佐市、東京都大田区・杉並区・武蔵野市、神奈川県川崎市、静岡県沼津市

作品概要

（C）2021 スタジオ地図

青春、家族の絆、親子愛、種族を超えた友情、命の連鎖…。
様々な作品テーマで日本のみならず世界中の観客を魅了し続けるアニメーション映画監督・細田守。 最新作『竜とそばかすの姫』では、かつて『サマーウォーズ』で描いたインターネット世界を舞台に、『時をかける少女』以来となる10代の女子高校生をヒロインに迎えた。そこで紡ぎ出すのは、母親の死により心に大きな傷を抱えた主人公が、もうひとつの現実“と呼ばれる50億人が集うインターネット上の仮想世界＜Ｕ（ユー）＞で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語だ。現実世界と仮想世界。２つの世界、２つのアニメーション。細田作品ならではのリアル×ファンタジーの絶妙なマリアージュと、かつてない圧倒的スケールの物語を実現させるため、スタッフキャストチームには、役者、音楽、デザイン、アニメーション、CGなど各ジャンルから多様性溢れる才能が奇跡の集結。 圧倒的な速度であらゆるものが変化し続ける時代、それでもずっと変わることのない大切なものとは—。

ストーリー

50億人がすれ違う 美しくも残酷な仮想世界。 ベルの歌声は世界を変える——

自然豊かな高知の村に住む17歳の女子高校生・すずは、幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。 母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずは、その死をきっかけに歌うことができなくなっていた。 曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日、親友に誘われ、全世界で50億人以上が集うインターネット上の仮想世界＜U（ユー）＞に参加することに。

＜U＞では、「As（アズ）」と呼ばれる自分の分身を作り、まったく別の人生を生きることができる。歌えないはずのすずだったが、「ベル」と名付けたAsとしては自然と歌うことができた。

ベルの歌は瞬く間に話題となり、歌姫として世界中の人気者になっていく。 数億のAsが集うベルの大規模コンサートの日。突如、轟音とともにベルの前に現れたのは、「竜」と呼ばれる謎の存在だった。

乱暴で傲慢な竜によりコンサートは無茶苦茶に。そんな竜が抱える大きな傷の秘密を知りたいと近づくベル。一方、竜もまた、ベルの優しい歌声に少しずつ心を開いていく。

やがて世界中で巻き起こる、竜の正体探し（アンベイル）。

＜U＞の秩序を乱すものとして、正義を名乗るAｓたちは竜を執拗に追いかけ始める。

＜U＞と現実世界の双方で誹謗中傷があふれ、竜を二つの世界から排除しようという動きが加速する中、ベルは竜を探し出しその心を救いたいと願うが——。

現実世界の片隅に生きるすずの声は、たった一人の「誰か」に届くのか。 二つの世界がひとつになる時、奇跡が生まれる。

地域・建築ばなし・プロダクションノート

本作品は、実際にある場所がそのまま映画のシーンに登場します。

主人公の女子高生・すずが暮らす自然豊かな田舎の町は高知県で、高知県の各所が映画に出てきます。

細田監督は、映画を作るにあたって日本各地をロケハンしています。インターネットの世界の中心にいる歌姫が、実は“世界の果て”のような場所にいる少女だった、という対比を考え、日本のさいはての地を探し回っています。

細田監督は、司馬遼太郎『竜馬がゆく』を読んで高知に憧れていたこと、南国というポジティブなイメージがあること、日本における“世界の果て”みたいな場所を探していたこと、「限界集落」という言葉が生まれたのが高知「仁淀川流域」だったこと、高校時代といえば川のある風景が浮かぶこと、美しい仁淀川や鏡川が流れていることなどから、高知を舞台にしています。

すずの生まれ育った集落に架かる橋は、越知町「浅尾沈下橋」（あそお ちんかばし）がモデルです。劇中、すずは毎日この橋を渡って学校に通っています。

「浅尾沈下橋」は仁淀川に架かる、全長約121mの沈下橋です。仁淀川は国土交通省「水質が最も良好な河川」に何回も選ばれている”日本で最もきれいな川”の一つです。透明度の高い仁淀川の水は、水中で神秘的な青色に見えることから「仁淀ブルー」と呼ばれています。


写真「浅尾沈下橋」©高知県観光コンベンション協会

「浅尾沈下橋」のたもとにあるのは、鎌井田(かまいだ)集落です。

すずの回想シーンで、仁淀川町「安居渓谷 水晶淵」（やすいけいこく すいしょうぶち）が出てきます。

すずの通学路の途中で、カヌーの練習している川のモデルは、高知市「鏡川」です。

すずが高知市の「帯屋町商店街」アーケードを通るシーンがあります。

すずが高知駅から夜行バスで東京へ向かうシーンで「高知駅」が出てきます。

すずとヒロちゃんが一緒に昼食を食べるシーンのモデルは「ふれあいの里柳野」です。

劇中、女声合唱隊が練習をしたり、すずとヒロちゃんのパソコンのある場所は、日高村「能津小学校」がモデルです。

劇中に「伊野駅」「伊野駅前」「ローソン伊野駅前店」が登場します。

いの町「西の谷第二バス停」は、すずの通学シーンのバス停のモデルです。

いの町「波川公園」（はかわこうえん）が劇中に出てきます。

南国市「高知県立歴史民俗資料館」に、劇中に登場するヒロちゃんの家の美術品「竜虎図衝立」が所蔵されています。

電車内のシーンは、JR土讃線の車両がモデルになっています。

東京、恵と智の部屋の窓から見える「ツインタワービル」のモデルは「パークシティ武蔵小杉ザガーデンタワー」です。

東急多摩川線「多摩川駅」が劇中に登場します。

すずの高校の渡り廊下のモデルは「東京都立西高等学校」です。

すずの高校の中庭のモデルは「東京都立武蔵高等学校」です。

ヒロちゃんの家の外観のモデルは、沼津市「沼津倶楽部」です。

ロケ地：都市・地域・施設（建築物・土木構造物）

高知県
越知町：浅尾沈下橋（あそお ちんかばし）
仁淀川町：安居渓谷 水晶淵（やすいけいこく すいしょうぶち）
高知市：帯屋町商店街、高知駅、鏡川、朝倉駅
日高村：能津小学校（のうず しょうがっこう）、西の谷第二バス停
いの町：波川公園・波川公園の河原・橋、ふれあいの里柳野、伊野駅、伊野駅前、ローソン伊野駅前店
南国市：高知県立歴史民俗資料館（劇中に登場するヒロちゃんの家の美術品「竜虎図衝立」を所蔵）
土佐市：宇佐漁港

東京都
大田区：多摩川駅
杉並区：東京都立西高等学校
武蔵野市：東京都立武蔵高等学校

神奈川県
川崎市：パークシティ武蔵小杉ザガーデンタワーズ（ツインタワー）

静岡県
沼津市：沼津倶楽部

映画にちなんだもの

スマホ、カラオケ、SNS、インスタ、AI、インターネット、アプリ、フォローワー数、廃校、虐待、よさこい祭り、カヌー、バスケットボール、クジラ

映級グルメ

映画に出てくるグルメ：そうめん、モモ（桃）を入れたアイスティー、カツオ（鰹）

支援

取材協力：
永田聡、玉城絵美、高知県観光コンベンション協会、高知県立歴史民俗資料館、仁淀ブルー観光協議会、いの町観光協会、ふれあいの里柳野、日高村立能津小学校、高知学芸中学高等学校、高知県立高知西高等学校、高知県立告知丸の内高等学校カヌー部、高知県立高知国際中学校・高等学校、カトリック中島町教会、四国旅客鉄道、能津未来、日高村教育委員会、高知県、高知県立牧野植物園、どんぐり不動産、四国八十八景実行委員会、琴平バス、国清寺、
濱川商店、西岡酒造店、亀泉酒造、司牡丹酒造、高木酒造、土佐鶴酒造、酔鯨酒造、高知酒造、仙頭酒造場、有光酒造場、無手無冠、藤娘酒造、松尾酒造、
東京都立武蔵高等学校、東京都立武蔵高等学校附属中学校、東京都立西高等学校、茨城県立大洗高等学校、栃木県立さくら清修高等学校、日本体育大学
アートビオトープ那須、沼津倶楽部、函館カトリック元町教会、EN-Joy Sisters、栃木県フィルムコミッション、スクリーンバリュー、杉並区子ども家庭支援センター、アルダーインターナショナル、日東紅茶、教育芸術社、グローバルプランニング、カスピアン吉祥寺、県交北部交通、ヤマハ、ヤマハミュージック、ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

書影協力：筑摩書房、講談社、日本経済新聞社

キャスト

中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世、森川智之、宮野真守、島本須美、役所広司、石黒賢、ermhoi、HANA、佐藤健

スタッフ

監督：細田守
脚本：細田守
企画：スタジオ地図
プロデューサー：齋藤優一郎、川村元気、高橋望、谷生俊美
原作：細田守
制作プロデューサー：石黒裕之
音楽監督：岩崎太整
音楽：岩崎太整、ルドウィグ・フォシェル、坂東祐大、挾間美帆
メインテーマ：millennium parade × Belle 作詞・作曲：常田大希、歌：ベル（中村佳穂）
作画監督：青山浩行
CG作画監督：山下高明
CGキャラクターデザイン：ジン・キム、秋屋蜻一、岡崎能士、ippatu、岡崎みな、イケガミヨリユキ、エマニュエル・エデコ
CGディレクター：堀部亮、下澤洋平
美術監督：池信孝
プロダクションデザイン：上條安里、エリック・ウォン
色彩設計：三笠修
衣装：伊賀大介、森永邦彦、篠崎恵美
撮影監督：李周美、上遠野学、町田啓
編集：西山茂

作品データ

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