ふしぎな岬の物語

千葉県鋸南町・館山市・勝浦市・南房総市・大多喜町・千葉市、神奈川県鎌倉市、栃木県佐野市

作品概要

こんな岬が、実際にあるなんて―――
映画女優・吉永小百合と監督・成島 出の共同プロデュース作品。
日本映画界を牽引する撮影監督・長沼六男をはじめ、最高のキャスト・スタッフが集結。
舞台は、美しい海を望む岬村。時代に流される事なく、人々の笑顔溢れるその岬の先端に小さなカフェが佇んでいる。
美味しい珈琲といっぱいの優しさを振る舞うカフェの店主・柏木悦子を吉永小百合が演じる。悦子の甥で、なんでも屋の浩司役に阿部寛。都会から逃げ帰ってきたみどり役に竹内結子。30年来悦子らを支えてきたカフェの常連客タニさん役に笑福亭鶴瓶など、錚々たる俳優陣が名を連ね、味わい深い人々の心に寄り添いあう至福の物語として紡いでいく。
日本映画の温もり感じる、この心地よいひとときの作品。

 

 

 

第38回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ・エキュメニカル審査員賞W受賞。

(C)2014「ふしぎな岬の物語」製作委員会
2014年10月11日公開
上映館案内

ストーリー

のどかな太陽と海に抱かれて、独特の時間が流れる岬村。その岬の先端で、静かに佇む「岬カフェ」。店主・柏木悦子の朝は、カフェの裏で”何でも屋”を営む甥の浩司と小舟で小島に出かけ、湧き清水を汲むことから始まる。島から帰ると、質素だが掃除の行き届いた店内を、摘んできたばかりの季節の野花で彩った。どこか懐かしさの漂うこのカフェで、何より人々を和ませるのは、注文を受けてから豆を挽き、ネルドリップで丁寧にいれた、心づくしのコーヒーだ。悦子の祈りを込めた一杯は、カフェに集う人たちを元気づけた。  常連客に囲まれた、ささやかな生活を、悦子は愛していた。いくつになっても感情をコントロールできずに、たびたび問題を起こす浩司の純粋さを尊重し、いつも温かく微笑みかけた。よき理解者・悦子の存在は、浩司を安心させた。そんな二人のふれ合いをずっと支えてきた、常連客のタニさん。30年間という長いつき合いの中で、タニさんはひそかに悦子への想いを育んでいた。地元の秋祭りの日には、漁を営む徳さんの娘・みどりが、数年ぶりに帰郷した。素直になれない父娘にも、悦子はそっと寄り添った。  小さなカフェには、常連客のほかにもさまざまな客が足を運んだ。東京から虹を追いかけて、父親と共にカフェにたどり着いた少女・希美。希美に”魔女”と呼ばれた悦子は、とっておきのユーモアで、母親を亡くしたショックでこわばった少女の心を優しく溶かした。 深夜のカフェに忍び込んだドロボーには、雀の涙ほどの売上金を率直に詫び、とびきりのコーヒーとトーストでもてなして、明け方までじっくりと語り合った。そんな悦子の深い愛情に満ちたカフェは、弱みを抱えた人たちの憩いの場になっていた。  悦子をこの地へと導いたのは、今は亡き最愛の夫だった。スケッチ旅行で偶然訪れた岬で、美しい虹と出会った夫は、虹の絵を悦子に遺した。ひとりぼっちになった悦子は、虹をつかむような気持ちで、虹の岬に移り住んだのだった。  みんなで喜びを持ち寄り、悲しみを分かち合う……そんな穏やかな日々がいつまでも続くことを願っていた岬村の人たちの人生に、荒波が押し寄せる。悦子への思慕に戸惑う浩司。会社の肩たたきで大阪へ転勤することになったタニさん。徳さんとの別れの時が近づき、積年の親不孝を悔いるみどり。そして悦子を見守ってきた虹の絵も、カフェからなくなってしまう。大切なものが次々と去ってゆき、悦子は再び寂しさに襲われる。さらに追い打ちをかけるように、岬カフェが炎に包まれて……。厳しい流転にのみこまれながら、岬村の人々は、苦しみの先に、どんな未来を見つけるのだろうか?

地域ばなし

モチーフとなった喫茶店が実在する千葉県鋸南町・明鐘岬をはじめ、南房総市の和田漁港や館山市の館山ファミリーパークなど、千葉県各所でのロケーション撮影が敢行されました。 江戸時代からの歴史を誇る鯨漁など、土着的なリアリズムが物語に深みを与え、房総半島ならではの穏やかな海や空が、作品世界をそっと包み込んでいます。

千葉県南房総市の和田漁港は、全国に5箇所しかなく、関東では唯一の捕鯨基地がある漁港。 「鯨祭り」は映画オリジナルで、地元のエキストラ200人参加。全長3mの鯨神輿が作られました。 脚本作りの際に、映画「八月の鯨」(1987年)が大好きだという吉永小百合さんから提案があり、劇中に盛り込まれました。

ロケ撮影で使用した旧安房南高等学校(木造校舎)は1930年建造で、日本木造建築と西洋建築の要素を融合させた珍しい建物として、千葉県指定有形文化財に指定されています。
(普段、一般公開はされていません。)

ロケ地

千葉県
鋸南町:明鐘岬
館山市:館山ファミリーパーク旧安房南高等学校、グラッチェガーデンズ館山店、沖ノ島沖
勝浦市:勝浦漁港
南房総市:和田漁港
大多喜町:上総中野駅・大多喜駅(いすみ鉄道)
千葉市:ブルーフィールド

神奈川県
鎌倉市:今泉不動 稱名寺(称名寺)

栃木県
佐野市:佐野中央病院

映画にちなんだもの

生命保険、望遠鏡、陶芸、鯨祭り

映級グルメ

コーヒー(「ふしぎな岬の物語」岬ブレンド(オリジナルドリップコーヒー)
(前売り特典:劇中で悦子さんが淹れるコーヒーの味をお楽しみ頂けます。)

鯛(タイ)のカルパッチョ、甲州ワイン

支援

協賛:SoftBank

特別協力:JR東日本

宣伝協力:SHARP、KAGOME

美術・小道具協力: (株)富士珈機、フルヤ乳業、他

資料協力: 住吉大社、堺出島浜鯨祭り復活再現の会、JF共済、オリックス生命保険(株)

ロケーション協力:
千葉県フィルムコミッション、千葉市、館山市、勝浦市、南房総市、大多喜町、鋸南町、東安房漁業協同組合和田支所、富崎地区公民館、和田浦くじら食文化研究会、勝浦漁業協同組合、館山船形漁業協同組合、館山ファミリーパーク、千葉県立安房高等学校、いすみ鉄道(株)、小湊鐵道株式會社、KAIENTAI DOJO、(株)アサンテ、ナスラック(株)、(株)ビーグランド、パロパロアクアティック、レストラン・ラ・メール、佐野フィルムコミッション、佐野中央病院、空うつろ(株)、(株)プロス、JEISジェイス関東、スパイルマリーン、今泉不動 稱名寺、養玉院 如来寺、財務省関東財務局千葉財務事務所、おがさわら丸、(株)キクマサ運輸、増田板金、手塚工務店、小倉デンキ、有限会社 石甚

スペシャルサンクス: 音楽と珈琲の店 岬

キャスト

吉永小百合、阿部寛、竹内結子、笑福亭鶴瓶、笹野高史、小池栄子、春風亭昇太、井浦 新、吉幾三、(ブラザーズ5)杉田二郎・堀内孝雄・ばんばひろふみ・高山 厳・因幡 晃、片岡亀蔵、中原丈雄、石橋蓮司、米倉斉加年、

南房総市和田町和田地区の皆さん、南房総市和田町小浦地区の皆さん、南房総市小浜町の白粋会の皆さん、国際基督教団代々木教会の皆さん、KAIENTAI DOJOの皆さん、鋸南町消防団の皆さん、他。

スタッフ

監督:成島出
脚本:加藤正人、阿部照雄
企画:吉永小百合、成島出
プロデューサー:冨永理生子、川田亮、岡田有正、古川一博
原作:森沢明夫「虹の岬の喫茶店」(幻冬舎文庫)
音楽:安川午朗
ギター演奏:村地佳織
メインテーマ「望郷~ふしぎな岬の物語~」/村地佳織
劇中歌「入っておいで この里に」歌:ブラザーズ5
撮影監督:長沼六男
衣装デザイン(柏木悦子):鳥居ユキ
題字・デザイン:和田誠
編集:大畑英亮

作品データ

ゆかりの地図

明鐘岬 和田漁港
35.154162,139.820251
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