ともしび

ブリュッセル、クノック=ヘイスト(ベルギー)、ローマ(イタリア)、フランス

作品概要

2017 © Partner Media Investment – Left Field Ventures – Good Fortune Films

主婦アンナと家族の背負った罪は、二度と許されないのか?
人生の終盤、誰もに訪れる後悔と失われた希望は、それでも微かな光を見出だしていく…
ベルギーのある小さな都市。アンナとその夫は、慎ましやかに過ごしていたが、夫が犯したある罪により、その生活はわずかに歯車が狂い始める。やがてそれは見て見ぬふりが出来ないほどに、大きな狂いを生じていくのだった・・・。 「わたしはあの時、いったい何を失ったのだろう」――。
人生の終盤、さまざまな業を背負ったひとりの女が、もう一度“生きなおし”を図るまでの、哀しみと決意を追う人生最後のドラマが、ミステリー小説のごとく描かれていく――。
第74回ヴェネチア国際映画祭 最優秀女優賞(シャーロット・ランプリング)受賞作品。

2019年2月2日公開
上映館案内

ストーリー

ベルギーの小さな地方都市。老年に差し掛かったアンナ(シャーロット・ランプリング)と夫(アンドレ・ウィルム)は、慎ましやかな暮らしをしていた。小さなダイニングでの、煮込みだけの夕食は、いつものメニューだ。会話こそないが、そこには数十年の時間が培った信頼があるはずだった。しかし、次の日夫は、ある疑惑により警察に出頭し、そのまま収監される。

しかしアンナの生活にはそれほどの変化はないかに見えた。豪奢な家での家政婦の仕事、そのパート代で通う、演劇クラスや会員制のプールでの余暇など、すべてはルーチンの中で執り行われていく。自分ひとりの食事には、もはや煮込み料理ではなく、簡単な卵料理だけが供されることくらいが、わずかな変化だった。

けれどその彼女の生活は、少しづつ、狂いが生じていく。上の階から漏れ出す汚水、ぬぐうことができなくなった天井のシミ、そして響き渡るような音を立てるドアのノックの音…。なんとか日常を取り戻すべく生活を続けるアンナだったが、そこに流れ込むのは、不安と孤独の冷たい雫だった。
やがてそれは見て見ぬふりが出来ないほどに、大きな狂いを生じていくのだった・・・。

予告編

予告編配信の使用許諾権:地ムービー

地域ばなし・プロダクションノート

フランス・イタリア・ベルギーの合作です。

ベルギーのブリュッセル、クノック=ヘイスト、イタリアのローマなどでロケーション撮影されています。

本作品は、35ミリのフィルムで撮影されています。

大女優ランプリングの実人生が反映されたかのような、感動のドラマです。
(一見、平穏であるかに見えるアンナの日常には、大きな空洞があることに気づかされます。そしてその原因は、どうやら刑務所に収監されている夫にあるらしいことが、徐々に明らかになってくきます。しかし微かな仄めかしはあるものの、夫がどんな犯罪に手を染めたのかは、全くと言ってよいほど説明されません。しかし、この冷厳たる家族の秘密によって、アンナ自身は次第に、容赦なく、精神的に追いつめられ、心身ともに果てしなく疲弊していくことになります。 映画『ともしび』は、老境に入って、ささやかで平穏な日常、家族との結びつきを根こそぎ奪い取られてしまったヒロインが、絶望の淵から生還し、ふたたび“生きなおす”決意を遂げるドラマです。そこには、40代で鬱病に苛まれ、さらには精神疾患で姉を喪い、二度目の夫とは彼の不倫が原因で離婚するなど、私生活において決して平坦ではなかったシャーロット・ランプリングという大女優の実人生が色濃く反映されていると思われます。)

ロケ地

ベルギー
ブリュッセル(Brussels)
クノック=ヘイスト(Knokke-Heist)

イタリア
ローマ(Roma)

映画にちなんだもの

白百合の花、白いバラ、家政婦、演劇クラス、会員制プール、漂着したクジラ(鯨)、ペットの犬、無言電話、漏水、メタファー、地下鉄、劇中曲:デビットボーイ(David Bowie「Modern Love」)

映画に出てくるグルメ

魚の煮込み料理、目玉焼き、手作りケーキ

キャスト

シャーロット・ランプリング、アンドレ・ウィルム、ステファニー・バン・ビーブ、シモン・ビショップ、ファトゥ・トラオレ

スタッフ

作品データ

ゆかりの地図

クノック=ヘイスト
Knokke-Heist

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