幕末太陽傳

東京都品川区・調布市

作品概要

(C)日活

銭がなくとも、その身ひとつで時代を駆ける!江戸時代末期の品川で起こる波瀾万丈、悲喜交々の人情物語 。
日本映画史を代表する喜劇の最高傑作。

45歳という若さでこの世を去った川島雄三監督の代表作。古典落語「居残り佐平次」を軸に、「品川心中」「三枚起請」など様々な噺を一本の物語に紡ぎ上げた作品。2009年キネマ旬報オールタイム・ベスト映画遺産200 日本映画篇 第4位

多くの落語家が「落語種を映画にして唯一成功した作品」との太鼓判を捺し、喜劇を生業とする様々なジャンルの文化人たちに愛され続けている作品。笑いあり涙ありの江戸の“粋”なこころに、生きることの喜びを感じさせる珠玉の時代劇。

ストーリー

時は幕末、文久2(1862)年。品川の地に北の吉原と並び称される色町があった。相模屋という遊郭へわらじを脱いだ主人公の佐平次は、勘定を気にする仲間三人を尻目に、呑めや歌えの大尽騒ぎ。実はこの男、懐に一文も持ち合わせていないのだが・・・。
“居残り”と称して、相模屋で働くことにした佐平次は八面六臂(はちめんろっぴ)の大活躍! 巻き起こる騒動を片っ端から片付けてゆく。自らの身に起こった困難をものともせず、相模屋に滞在していた高杉晋作らとも交友を結び、乱世を軽やかに渡り歩くのだった。

地域・建築ばなし・プロダクションノート

1957年(昭和32年)の品川通りなど「北品川エリア(旧品川宿のエリア)」でロケーション撮影され、映画のオープニングのタイトルバックで登場します。

現在、旧東海道に面した飯売旅籠屋「相模屋」の跡地には、石碑「土蔵相模跡」が建っています。土蔵のような海鼠壁(なまこ壁)であったため「土蔵相模屋」と呼ばれていました。

その「相模屋」で、討幕派と呼ばれた高杉晋作や久坂玄瑞らが密談をし、1862年(文久2年)に御殿山で英国公使館焼き討ち事件を起こしています。

本作品の題材にも「英国公使館焼き討ち事件」が取り上げられています。

『幕末太陽傳』の特大セットを、東京・調布のスタジオ「日活撮影所」の3つのステージに建て込んでいます。美術監督は中村公彦さんで、品川宿にあった「土蔵相模(高級妓楼)」を、1階、2階、地階に分けて、3つのステージに建て込んでいます。

2012年に100周年を迎える日活が、数あるライブラリーの中から「後の100年まで残したい1本」としてデジタル修復しています。

デジタル修復版は、「修復監修:橋本文雄、萩原泉」「共同事業:東京国立近代美術館フィルムセンター」「技術協力:IMAGICA、IMAGICAウェスト、AUDIO MECHANICS」とクレジットされています。

ロケ地:都市・地域・施設(建築物・土木構造物)

東京都
品川区:北品川

【スタジオ】
東京都
調布市「日活撮影所」

映画にちなんだもの

品川宿、相模屋、鈴ヶ森、御殿山、懐中時計、遊郭、女郎屋、妓楼 炭団(たどん)、長州藩、博打、起請文、両切タバコ、英国公使館焼き討ち事件。高杉晋作

落語「居残り佐平次」品川の女郎屋で居残りになった佐平次という男が、愛想良く遊客の相手をして祝儀を貰ったりするので、若い衆から苦情が出る。

落語「品川心中」紋日を前にして金の工面が付かない宿場女郎おそめは心中を企て、貸本屋の金蔵を相手に選び、品川の海へ飛び込もうとする。

落語「三枚起請」起請を貰い喜んでいた男達が、 三人とも同じ女郎からのものだとわかり問い詰めに行くが、 女郎は「騙すのが商売だ」と居直る。

落語「お見立て」花魁喜瀬川は田舎の大尽杢兵衛が嫌いで、店の若い衆に「死んだ」と言わせるが、杢兵衛は「墓参りに行くから案内しろ」と言う。

落語「文七元結」長兵衛が娘お久をかたに借りた五十両を、店の金を紛失した文七に与えるが、金は見つかり、身請けしたお久と文七が結ばれる。

落語「星野屋」星野屋の旦那と囲い者のお花は心中を決め吾妻橋まで行き、旦那だけ川へ飛び込んだがお花は飛び込まず家へ帰ってしまう。

落語「付き馬」付き馬を付けられた客が、「早桶屋で作って貰う」と中で話を付け、早桶屋も請け合うので待っていると、できたの金ではなく棺桶。

落語「お初徳兵衛」勘当されて船宿大松屋で船頭をしている徳兵衛が、屋根船で芸者お初を送る途中で雷雨に遭い、二人は船の中で深い仲になる。

落語「夢金」船頭熊蔵が、若い女連れの侍を船に乗せて大川へ出た所で、「女を殺して所持金を山分けしよう」と侍に持ち掛けられた夢を見る。

落語「坊主の遊び」坊主頭の隠居が吉原で女郎を買ったが、 女は尻を向けて寝てしまうので、 腹を立てた隠居は寝ている女郎の頭を丸坊主にする。

映級グルメ

映画に出てくるグルメ:日本酒、おにぎり

キャスト

フランキー堺、左幸子、南田洋子、石原裕次郎、芦川いづみ、市村俊幸、金子信雄、山岡久乃、梅野泰靖、織田政雄、岡田真澄、高原駿雄、青木富夫、峰三平、菅井きん、小沢昭一、植村謙二郎、河野秋武、西村 晃、熊倉一雄、三島 謙、殿山泰司、加藤博司、二谷英明、小林旭、関弘美、武藤章生、穂高渓介、秋津礼二、宮部昭夫、河上信夫、山田禅二、井上昭文、榎木兵衛、井東柳晴、小泉郁之助、福田とよ、新井麗子、竹内洋子、芝あをみ 、清水千代子、高山千草

スタッフ

作品データ

ゆかりの地図

土蔵相模跡
東京都品川区北品川1-22-17

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