鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽

青森県五所川原市・鰺ヶ沢町・弘前市・つがる市・深浦町・中泊町、山梨県山梨市・都留市・甲府市、静岡県沼津市・伊豆市、埼玉県深谷市、東京都三鷹市・調布市

作品概要

©2022『鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽』製作委員会

太宰治「斜陽」執筆75周年記念作品。

「人間は恋と革命の為に生まれて来たのだ」女主人公のこの結論は、世俗に必死に抗議する〈詩人・太宰〉の姿でもある。古い道徳とどこまでも争い〈太陽のように生きる〉道ならぬ恋に突き進んでいく27歳のかず子。最後の貴婦人の誇りをもちながら結核で死んでいく母。体に流れる貴族の血に抗いながら、麻薬と酒に逃げ、破滅していく太宰を連想せずにはいられない弟。そしてより強く太宰自身を投影した無頼な生活を続ける売れっ子作家上原。

終戦直後の荒れ果てた東京・本郷の屋敷は人手に渡り、再出発を願う一家が移り住んだ西伊豆の別荘を舞台に物語が大きく動く。四人、それぞれの美しさの中で生き抜いた姿は多くの人々の心を打つ。

2022年11月4日公開
上映館案内

 

ストーリー

太平洋戦争が終わった昭和20年、没落貴族となった上、当主である父を失ったかず子とその母、都貴子は困窮してゆく生活の為に東京西片町の実家を売って西伊豆で暮らすことになった。もと子爵の別荘を世話してくれた叔父の和田は引越し疲れと心労で倒れた母とかず子に僅かなお金を手渡し、東京へ帰ってしまう。地下足袋、もんぺ姿になったかず子は隣の農夫茂助から畑仕事を教えてもらい、これからの新しい生活を始めるのだった。

一方、南国の戦地に赴いたまま行方不明となっていた、弟の直治が生きており帰国するとの知らせが入ると、母は家族が三人になればさらに生活が苦しくなるので、かず子に「再婚相手を探しているような歳の離れた資産家に嫁いだらどうか」と話す。激しい口論の末、激怒したかず子は「鳩のごとく素直に、蛇のごとく慧かれ」というイエスの言葉とともに6年前の出来事を思い出す。

まだ学生だった直治が師匠と仰ぐ、中年作家、上原二郎との出会いである。 直治を麻薬中毒から救うために酒飲みに転向させるとかず子を安心させ、酒に誘ったかず子を突然抱きしめ二重廻しの中で強引に接吻する上原に不意をつかれたかず子は身を固くしたまま受け入れた。一夜の恋心の目覚めであった。

そして半年後、戦闘帽と軍服姿で帰国した直治は、優しい母から小遣いをせびり東京の上原の元へと早々と別荘から出かけてしまう。直治からいろいろ話を聞くことを楽しみにしている母の為にも、弟の荒れた生活を止めさせる為にもかず子は東京へ向かう。焼け野原となった街を満員電車に揺られ、狂気じみたエネルギー溢れる闇市を抜け、上原が毎夜のように取り巻きの弟子たちと派手に飲みまくる西荻窪の飲み屋「千鳥」にやっとの思いでたどり着く。6年振りにかず子が見た売れっ子作家上原には頭に白いものが混じり、別人のように疲れきっていた。

入口に立ち尽くすかず子に気づいた上原は、直治を強引に伊豆に帰し、友人の画家のアトリエの二階に二人きりの一夜の宿を借りる。6年前の上原との出会いが甦るかず子の前に下のアトリエで一人酒を飲んでいた上原が現れ、素早くかず子を抱き締める。
「畜生、しくじった惚れちゃったよ、俺」 「好きよ、大好き」
歓びに身を固くしながらも全てをまかせるかず子。その裸身がまるで蛇のようにゆるやかにうごめく…。

予告編

予告編配信の使用許諾権:地ムービー

地域・建築ばなし・プロダクションノート

青森県五所川原市・鰺ヶ沢町・弘前市・つがる市・深浦町・中泊町、山梨県山梨市・都留市・甲府市、静岡県沼津市・伊豆市、埼玉県深谷市、東京都三鷹市・調布市が、ロケ支援・協力をしています。

映画のストーリー上の舞台は、伊豆、本郷、西荻窪などです。

劇中には、文京区・西片町、本郷、伊豆、西荻窪、山梨、三鷹、長岡などの地名が出てきます。

太宰治(1909~48年)は、青森県五所川原市(旧金木町)出身の作家です。

近藤監督は、「太宰治の生まれ故郷、青森県でのロケは外せなかった。」とコメントしています。

青森県五所川原市の「斜陽館」(外観のみ)、居酒屋「井戸端」、芦野公園の赤い屋根の喫茶店「駅舎」でロケ撮影が行われています。

電車内のシーンは、青森県五所川原にある「津軽鉄道」でロケ撮影されました。現在運行している車輌と保存されている車輌の両方が使用されています。

青森県鯵ケ沢町の海岸でロケ撮影が行われました。

山梨県山梨市正徳寺の「根津記念館」をメインのオープンセットとして撮影が行われています。

埼玉県深谷市「七ツ梅酒造跡」でロケ撮影が行われました。
 
居酒屋のシーンの一部は、東京都調布市飛田給「いっぷく」でロケ撮影が行われました。

ロケ地:都市・地域・施設(建築物・土木構造物)

青森県
五所川原市:太宰治記念館 「斜陽館」、居酒屋「井戸端」、芦野公園 赤い屋根の喫茶店「駅舎」、津軽鉄道
鰺ヶ沢町:海岸
弘前市:弘前城、 弘前銘醸のレンガ倉庫
つがる市:
深浦町:
中泊町:

山梨県
山梨市:根津記念館
甲府市:

静岡県
沼津市:安田屋旅館
伊豆市:

埼玉県
深谷市:七ツ梅酒造跡

東京都
三鷹市:
調布市:いっぷく

映画にちなんだもの

太宰治、小説家、終戦、華族制度、華族、貴族、貴婦人 生活力、アルコール、麻薬、ニワトリ、蛇(ヘビ)、芥川賞、結核、札付きの不良、野良仕事、弘前高校

映級グルメ

映画に出てくるグルメ:
プリン、シチュー、パン、お芋の煮っ転がし、南京豆、きんぴらごぼう

支援

ロケ協力:
根津記念館、津軽鉄道 澤田長二郎、赤い屋根の喫茶店 駅舎、弘前銘醸株式会社 加藤宏幸、斜陽館、居酒屋「井戸端」りょうこ、いっぷく 中村勇三、ふうの木 橋本良子、岩下旅館 宮本忠文、フォレストブルー 土井悟、安田屋旅館 安田康江、水軍の宿 杉澤簾晴、弘前パークホテル 佐藤祐介、土井花店、坂本造花店、栗原写真館、他。

協力:
深谷フィルムコミッション、まち遺し深谷、深谷シネマ、弘前観光コンベンション協会、山梨市役所観光課、東京衣装、他。

ロケコーディネーター:
五所川原市、つがる市、深浦町、弘前市、山梨市、深谷市、伊豆市、三鷹市の方々。

キャスト

宮本茉由、安藤政信、水野真紀、奥野壮、田中健、細川直美、白須慶子、三上寛、柏原収史、萬田久子、 柄本明、尾崎右宗、菅田俊、岡部尚、中谷太郎、緒方美穂、三木秀甫、岡元あつこ、栗原沙也加、今泉朋子、白石恭子、薗田正美、光藤えり、山村友乃、野崎小三郎、ジョナゴールド、春風亭昇太

スタッフ

作品データ

ゆかりの地図

根津記念館
根津記念館

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